FXのグリッドEAの特徴と選び方について解説します。
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FXのグリッドEAとは?
グリッドEAは、一定の価格間隔で複数の指値注文をしておき、あらかじめ決められた金額になると決済して利益を上げる取引手法です。
決まった金額で注文、決まった金額で1ポジションずつ決済をするため、ナンピンのように”ロジックに基づいてエントリー、全てのポジションを一斉に決済する”とは違った動きをします。
グリッドはマーチンゲールはなく、常に固定のロットでナンピンしていきます。
基本的に損切りはなく、相場から逆行を続けると、追加ポジションを取っていきます。
レンジ相場になりやすい通貨ペアで利用されることが多い
グリッドEAはボラティリティーが小さい通貨ペア(AUDCAD、AUDNZD、EURGBP、EURUSDなど)で利用されることが多いです。
以前はUSDJPYやEURJPYのグリッドEAも多かったですが、近年円安傾向が強く、ボラティリティーが大きいため、破綻するグリッドEAも多数ありました。
現在はAUDCADやAUDNZDのグリッドEAを多く見かけます。
長期運用することが多いためスワップが影響する
グリッドは基本的に常にポジションを持っているため、相場が逆行すれば長期で運用こともあります。
プラススワップであれば金利が入ってきますが、マイナススワップの場合はジリジリと証拠金が減っていくので、通貨ペア選びは大切です。
連休や年末年始も稼働させることが前提
グリッドEAは常にポジションを持っているので、GWやお盆、年末年始もポジションを持ったまま稼働させることが多いです。
急な相場変動やスプレッドの開きなども考慮して、証拠金を十分に入れておく必要があります。
グリッドEAの選び方
グリッドEAの選び方を解説します。
バックテストで安定した成績のEAを選ぶ
まずはEAのバックテストをして、成績が安定しているか確認しましょう。
バックテストはできるだけ長い期間でテストをし、最大ドローダウンが低いEAが良いです。
グリッドEAはバックテストに近い成績になることはありますが、最大ドローダウンなどはバックテストを超えることもあるので気を付けましょう。
最大ドローダウンやリスクリターンをチェックする
バックテストをした時に、成績だけでなく、最大ドローダウンやリスクリターン(リカバリーファクター)をしっかりチェックしましょう。
グリッドEAは成績が良くても最大ドローダウンが大きければ実質的に利益を得るのが難しいです。
“成績÷最大ドローダウン=リスクリターン”の方法でリスクリターンを計算できるので、リスクリターンの高いEAを選びましょう。
デモ口座もしくは小ロットでテスト運用する
バックテストの結果が良ければ、デモ口座かリアル口座の0.01ロットなどの小ロットでテスト運用しましょう。
テスト期間は長い方がたくさんのデータが取れるので、3カ月~6ヶ月くらいあると良いです。
この時に、「変なタイミングでエントリーをする」「動きが変、危なっかしいエントリーをする」「バックテストと比べて成績が悪い」などがあれば、利用するのは止めましょう。
「バックテスト結果=フォワードテスト結果」だと思っている人もいますが、バックテストが良くてもフォワードで成績が悪いEAはたくさんあります。
スプレッドも大事だがスワップポイントも重要
グリッドEAはスプレッドによって成績は変わりますが、マイナススワップはかなり影響します。
ロング・ショートともにエントリーするグリッドの場合、ロング・ショートの割合や、それぞれのスワップは事前に調査しておきましょう。
片側だけのグリッドの場合は、プラススワップになる通貨ペアを選ぶようにしましょう。
含み損を抱えても決済しないため口座が破綻する可能性がある
グリッドEAは損切り設定がなくロスカットになる可能性があるため、事前にバックテストをしっかりとやり、十分な証拠金を入れておく必要があります。
グリッドEAで数千万円の口座が破綻した人を見たことがありますが、長期の運用によって通貨ペアの強弱が変わることもあります。
できるだけ長い目でみて、通貨ペアの力関係が変わらないものを選択するようにしましょう。
グリッドEAだけで1口座を使うのがおすすめ
グリッドEAは1つのEAだけで口座1つを使ってしまうため、他のEAと混合して利用しない方が良いです。
基本的に損切り設定がないため、相場が逆行すると大きな含み損を抱えることがあります。
破綻リスクがあるので、事前調査をしっかりとやり、リスクの範囲内で稼働させるようにしてください。